こんな場合の相続に注意が必要

相続が開始すると、亡くなった人(被相続人)が遺言を作成しなかった場合や、遺言書が見つからない場合には、法定相続人が被相続人の遺産を相続します。その際、相続人の間で遺産分割協議をして遺産を分けることになりますが、以下のような場合には注意が必要です。

相続人に認知症の方がいる場合

認知症などにより判断能力が低下していると、適切に意思決定ができないとみなされ遺産分割協議を行うことができません。

認知症の方が相続人にいる場合、相続手続を進めるにあたっては、まず家庭裁判所に成年後見人の選任の申立てを行い、後見人が無事に選任されてから後見人を含めた相続人全員で遺産分割協議を行う流れとなります。

相続人が行方不明の場合

遺産分割協議は、相続人全員の参加が必要です。相続人が一人でも欠けると遺産分割協議は成立しません。

相続人に行方不明者がいる場合、家庭裁判所に不在者財産管理人選任の申立てをし、その管理人が家庭裁判所の許可を得て行う方法か、相続人の行方が何年もの間わからない場合は、当該相続人を死亡したものとみなす失踪宣告の申立てを行う方法があります。

相続人の前妻(前夫)との間に子どもがいる場合

前妻(前夫)は離婚すれば配偶者ではなくなるため、相続人にはなりません。しかし、離婚しても前妻(前夫)との間の子どもとは親子関係が続いているため、前妻(前夫)の子どもも相続人となります。

遺産分割協議をする際には、その子どもたちも含めた相続人全員の参加が必要です。戸籍謄本を確認して、相続関係を把握することが重要です。